ysg

観劇日記と役者ごと・お手伝いごとまとめ

2022/6/15〜16 -ヨドミ-『lucK girL blooD tuesdaY』について

黒田七瀬です。

-ヨドミ- 第四回公演『lucK girL blooD tuesdaY』にて、当日運営としてお客様をお迎えさせて頂きました。ご来場頂きました皆様、検温・消毒のご協力、誠にありがとうございました。もはや当たり前となりつつある消毒ですが、それでもやはりご来場時の工程が増えたことに変わりは無いわけで。皆様の協力のもと成り立っております。いつもありがとうございます。

個人的には2回目になった-ヨドミ-での当日運営。好きな劇団に携われるのはやはりありがたく、恐れ多くもあり、嬉しいです。


f:id:mikoxn:20220618011436j:image

f:id:mikoxn:20220618011439j:image

今回の作品は、2019年に『一軒め』という団体さんが阿佐ヶ谷アルシェで公演した作品。今回は-ヨドミ-として公演するということで、とても楽しみにしていました。前回上演されたときと若干登場人物たちの人間性や話の内容が若干変わってて、以前観たことがあってもすごくすごく楽しめました。

好きなシーンはたくさんあるけれど、とくに好きだなあと思ったのは「家族ってなに!?」と市川家の面々に問いかけたあと、道子さんが浩二のもとに走っていくシーンです。結局離れられないんだなあって思いました。創木さんが演じている道子さんは、可哀想なんだけどとても綺麗で、芯があるのに儚さもあって、ご自身でコメントされていた「誰か、ギュッとしてあげて」という言葉に納得するしかありませんでした。素敵な女性とまでは思わないけど。

私、『子供は親を選んで生まれてきた』っていう言葉大嫌いなんですよ。それなら私はこの世に生まれてないなって思います。言ってることは分からんでもないけど、受け入れられる日は来ないだろうなと。生むなら愛せよ育てろよ、です。それだって綺麗事だけど。閑話休題

あと、お父さんの「じゃあ俺の幸せは?」って言葉、最高に人間らしくて大好き。夫になろうと親になろうと、結局のところ一人の人間であることには変わりないわけで、どうしたって自分の幸せを願ってしまうのは正しいのではないかと思ってます。とはいえ親であるのも事実であって。家族の幸せを願っていても自分の幸せを考えて優先してしまったというのも、ひとつの正解なのかもしれないなあ。でもさ、そのかわりに家族の誰かがさ、泣いているのであればせめて受け入れることくらいはしてあげてほしいと思ってしまいました。信じていると言う綺麗な言葉を遣っているあたりタチが悪い。余談だけど、市川父役の山森信太郎さんが伊良コーラなるものをお裾分けしてくださったんですけど、生姜がきいていてとても美味しかったです。ありがとうございました。

久坂さん、清々しいまでに嫌いです。きっとまっすぐに幸せな人生を歩んで来られたんでしょう。良かったですね!辻さんの目力と雰囲気、かっこよくて素敵です。信じて疑わない、っていう久坂さん愚直さが綺麗だった。

 

私にも弟がいるんですけど、たぶん道子さんと浩二くんと同じくらいの歳の差なんですが、同じような感じでした。実際うちの弟はめちゃくちゃに可愛い顔立ちだったのですごく可愛がられていて、案の定私は弟が嫌いというか鬱陶しくて、でも本当にずっっっと後ろを付いてくるんですよね彼らは!友達の家に遊びに行くと言えば付いて来たがって、結局おうちに置いて行ったらなんとひとりで家まで来ようとして知らない人に保護されていた、なんて騒ぎもありました。

あのとき 出会っていたのが 悪意のある人なら

私はたぶんひょっとするともしかして、道子さんのような今があったかもしれないな。とふと思いました。書きながら思い出してもやっぱり私は悪く無いと思いはするけれど、泣きそう。いじらしすぎて。子供怖い。本当に怖い。純粋というのはある意味恐怖だし狂気的です。とてもとても怖い。血の繋がりによる無意識が怖い。果てしなく。

そんな背景もあったもので、過去の苦々しい思い出が頭の奥の奥から引き摺り出されたようだというのが率直な気持ちです。もっとシンプルに言うと吐きそう。とても好きです。暗いところに居たいと思ってしまいました。胸糞悪い展開のお話なはずなのに、とても綺麗でした。

皆様お疲れ様でした。

ありがとうございました。