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観劇日記と役者ごと・お手伝いごとまとめ

2024/2/3〜2/4 テアトル◯企画『好きで嫌いな珈琲と煙草』

黒田七瀬です。

テアトル◯企画『好きで嫌いな珈琲と煙草』、受付としてお手伝いさせていただきました。ご来場頂きました皆様、まことにありがとうございました。気づけば1ヶ月経ってしまったわよ!年々遅筆になっているなあと気付いてなんだかかなしいです。


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さて

2021年の12月、まるっと3年前にふれいやプロジェクトさんが公演した際も観劇させて頂いてましたが、そのときはまさに流行真っ只中。それをいま改めて観るとまた違うものに思えるというか「ああいう人いたなあ」「慌しかったなあ」みたいな、すでに過去のものになっているんだと実感しました。ハマツさんが演じた風太と山中さんが演じた風太、わりと違う雰囲気だったけどどちらも良いお芝居されてて苦しかったです。ハマツさんがとても熱量と声量のあるお芝居をされるかたなので、自身の状況に対する切実さだったりがひしひし伝わってきたのを覚えています。

 

作品では役者と飲食店オーナーにスポットがあたっていて、当然作品を演じているのも役者で、ひどくリアル。どこまでも現実。でも何かやりたいことをやっている人だけでなく、今生きている誰に対しても確実に影響があって、価値観から生活習慣まで全部が塗り替えられて、多分その前の生活にはまだまだ戻らないしなんなら戻らないものもあるだろうし、もう2度と出会えないものごともあって、影響が大きいという言葉だけでは表現しきれない。それは私でさえも感じるから、もっと大きな母体で見ればなおのことそうなんだろうと思います。

私は受付周りのお手伝いをさせていただくことが多いので、公演と公演の合間にアルコールで座席の拭き上げをしたり会場にシュッシュして回ったりしたなあ。と思い出しながら観ていました。やってるときは当然だと思っていたからなにも思わないけど、そういえば時間かかったなあ大変だったなあとちょびっと思い出しました。だんだんお迎えできるかたの数が増えていくのを如実に見られるのが受付なので、そういう意味でも時間の流れを感じました。以前は複数人で検温含めて対応していた受付も、今回はほとんどひとりだったのも、当たり前だったものごとのひとつでした。いろんなかたのご協力とご理解、思いがあって成り立っていたものです。

もちろん、わざわざ人混みに行かなくても作品を見ることはできる!というのは真理だけど、生だからこそ見えるものや感じられることがあるのも事実。学びだって食事だって仕事だって全部そう。

 

夢を見続けるのと諦めるの、どっちが苦しいんだろう。どちらに至ったとしても、ちゃんと悩んで考えて決めたなら正しい。後半で武田華さん演じる紬が「痛いなあ、苦しいなあ」とひとり吐露する言葉は、きっと何度も何度も何度も、何度も何度も何度も何度も何度も、あらゆる人があらゆる場面で繰り返してきた問いかけで。できれば見たくないし向き合いたくない部分だけど、ちゃんとそれを超えたからこそ納得して時間を進められるんだと思います。向き合わなきゃ時間が進められないってわけではなく、少なくとも自分の中で折り合いをつけるのであれば、何かしら答えを出したうえで次に行かないと私は永遠に(流行りの言葉だからではなく文字通りの意味で)引きずる性質なのでそうありたいです。

 

「別れよっか。」

「ごめん、私芝居続けたい。」

文字数は少ないけど、ふたりの在り方がこのやりとりに集約されているなと感じました。

 

sate sate 

役者としての目線で見るのであれば、どうしても中谷さん演じている朝日さんのシーンがやはりぐっとせつなくなってしまいます。チケットの価格や会場のキャパや制限の話など、演劇の規模問わず大きく影響を受けていたことを思い出すと言葉にならないし苦しい。いち役者というだけでなく、劇団の主宰という役どころだからこそより覇気を感じてしまいます。誰も悪くないのに決めなきゃいけない・責任を負わなきゃいけない。いったいどれだけの人たちが苦渋の選択を迫られて、選択し、選択しなかったほうの答えに思いを馳せたんだろうと考えずにはいられません。今の生活にもう2度と戻らないって決別した人もたくさんいるわけだし。少なくとも朝日さんは、風太のお店がなくなったことでこれまでどおりではいられないわけだし。ご自身もいっぱいいっぱいの状況でも人にあたることもできず、紬さんにも微笑んでいられるのがすごくかっこいいなかただと思いました。

それに対して、明るく賑やかな純子さんがいちばん不安定な精神状態になるのも妙に現実味があると思いました。やりたいことを一途に全力で打ち込んでいる人ほど、実はすごくすごく細い糸の上を歩いていて、そのよりどころがなくなるとこんなにもパニックになるのか!と。それが悪いって言いたいんじゃなくて、イヤ実際怖いんだと思うんです。私はそれなりに健康体なのでそこまで大いに恐怖を感じていたわけではなく、なんならのうのうと生活をしていたほうだと自負していますが、それは身近に「すぐにでも命を脅かされるかもしれない人」がいない環境だったのも一因だと思ってます。血のつながりや年齢性別問わず大事な存在が身近にいたら自分だけでなくその人たちの生命も守らなきゃいけないんだから、恐怖心も一層強くなるのは当たり前。でもあの…公演をやるって言われたときの「結局お金ですか?!」って朝日さんにキレてるのはすごく嫌でした。お金…大事だよ…マイナス分は直接請求として降りかかるのだ…そこは感情云々じゃ正解を決められないのだ…と思ってしまいました。言ってることはとてもわかるんだけど、何かを動かすにはお金が必要なわけで、純子さんがこれを言えるのは負担してないからだと思うので、少しげんなりしちゃいました。げんなりさせる熱意と迫真のお芝居、本当に素敵でした。頭がごちゃごちゃになりました。正解も不正解も誰も決めてくれなくて、どちらを選んでも責められるっていうのはしんどい。でも純子さんの立ち位置からそれを言っているってのもやっぱりしんどい。しんどかったです。

山中さん演じる風太に関して、はじめて聞いたときに衝撃を受けたのが「俺は!働きたいんだよ!」の台詞。アルバイトしてまたお店を始めればいいと言った紬への言葉なのですが、夢に対するそれぞれの価値観や向き合い方、その先にあるものまでが如実にあらわれた台詞じゃないかと思ったのですよ。風太にとっての夢は生活であり目標であり、それがなくなったら生活が破綻するものだけれど、紬にとっての夢ややりたいことって、お芝居って、ぶっちゃけなくても生活できるんですよね(これはあくまでも資本的な観点であって、精神的なものとはまた違う意味合いの話です)。そういう目線で見ると、紬ってめちゃくちゃふわっふわしてる。それでご飯食べれるプロになるの?稽古って仕事じゃないじゃん?と紬にぶつける風太は、あの場面上はどうしても八つ当たりしてる印象を強く受けちゃうけど、何も間違ったこと言ってないし至極真っ当。ここまでのことをひっくるめて、まさしく働くおとなだなあ、というのが私の風太に対する感想です。でもなんか、うん、すごくこう、言われれば言われるほど胸が痛いと言うか耳が痛いというか、自分の在り方について現実を突きつけられ続けるシーンでしかないので、耳を塞ぎたくなりました(´・ω・`)

紬さんに関してはもう見たままというか、武田華さんの目力や存在感の強さがものを言うというか、めちゃくちゃふわっふわしてるとさっき書いたばかりですが芯はあって、自分の信じたことややりたいことにまっすぐぶつかれる人だと思うので、何かあったときに強いのはこういう人なんだろうなあとふんわり感じました。それがきっかけで誰かを無意識に傷つけることもあるし、もちろん自分自身も傷つくかもしれないけど、同じような場所を目指す人とは一緒になってあの時期を乗り越えたのかもしれないなあ。いろんなものを少しずつもとにもどそうとする動きが強くなってきた今日この頃、どこかでお芝居してるのかしら。それとも違う道を見つけたのかしら。お芝居に限らず、やりたいことをやろうと続けた人のエンディングのひとつとして、あの華々しさが在ってくれて少し安堵しました。

ちなみさん演じる多恵さんは、これからも多恵さんのままでいてほしいと願うばかり。自分の好きなものを心から楽しそうに話してくれる姿には元気をもらえます。すごく頑張って生きてるからこそ自分の愛するものや楽しいものを大切にできるし、より輝いて見えるものだと思うのですよ。頑張ったあとのお酒って言葉にならないくらいの美味しさがあるじゃないですか。染み渡る感じ。あれです。似たような感じで生きてるお友達がいるんですが、その子を見てると自分まで元気になるんですね。自分の幸せや楽しむ姿で周りまで同じ気持ちにできるのって…いいな…すごく魅力的だな…!

あとあと 風太シェイクスピアの読み合わせをするシーンがすっごく大好きで!あのときは作業を止めて普通に聞いていました。緩急って本当にだいじ…!純子さんの「もう台本見てない!」っていうツッコミも好きです。幸せってこういうことだわとケラケラしていたのに…(´・ω・`)

 

いつも以上に自分の話ばかりを 長々と とりとめのなく書きましたが

真っ只中のときと今、両方で観ることができてよかったなと、それぞれ違う役者さんで演じたものを観れてよかったなと思います。誰にも優しくないけど誰にでも優しい、嘘みたいだけどありふれていた、なんでもない日常が物語になったできごとをまた思い返すことができてよかった。これからも何度も、きっかけは違うかもだけど自分に問いかけるであろう質問を、観客として観られてよかった。楽しくないけど楽しかったです。自分の「なんとなく好き」を大事にできるように、人の「なんとなく好き」を傷つけることのないように生きたいです。

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ちなみに、私の「何となく好き」は書くことかな〜と思いました。文字を書いたり文章を書いたり絵を描いたり、少し頭に余裕が生まれたらついついやっちゃうなあ。そういうものって続ける続けないとかじゃないもんなあ。とふと思い付きました。

 

改めて

ご来場頂きました皆様、ありがとうございました。

そして キャストの皆様 スタッフの皆様 、本当にお疲れ様でした。今このときだからこそ本当の意味で楽しめる作品に携わることができて、良い時間を過ごさせていただきました。季節の変わり目ですが、どうか皆様すこやかに元気に過ごせていますように。

2023/11/4-5 ほんまる。第3回公演『白雪姫のアップルーレット』@座・高円寺2 あとがたり

こんにちはです。七瀬です。衣替えが追いついてなくて、最近パーカーかペンギンニットばかり着てます。

さてさて とっても日は経ってしまいましたが

ほんまる。第3回公演『白雪姫のアップルーレット』終演いたしました!ご来場頂きました皆様、ありがとうございました。遅ればせながら、の感想?のようなものです。長いです。


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ボードゲームが原作の作品と聞いたときは「どんなふうになるのかな?」と想像もつかなくて、実際に遊ばせていただいたあともそれは同様だったのですが、まさに「ここでしか見られない白雪姫」。想像もしてなかった展開だったので、稽古含めて作品を楽しみつつ駆け抜けることができました。ゲームの要素をどう取り入れていくんだろう?と好奇心でいっぱいだったのですが、それもしっかり回収されててびっくり。白雪姫のお話はきっと数あれど、また新しいものが生まれた瞬間に役者として携わることができて嬉しいです。

白雪姫という絶対的な物語があって、ボードゲームのなかで各キャラクターの役割があって、それを加味したうえでのあの結末。やっぱり藤丸さんの作品は綺麗で、でも個々が持つ欲求の部分が際立っていて、そんな暗いものも巻き込んで掬って「めでたしめでたし」と言える。いち読者としても役者としてもヴァイオレットとしても「よかった」と言えるお話。はじめて最初から最後まで台本を読んだとき、お別れしたくない気持ちと希望に満ちた気持ちとで胸がいっぱいになりました。私の中で作品の色は深い紫です(私がヴァイオレットだったということも大いに影響してるかも)。

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映像での演出もすごく色鮮やかで綺麗で、遊んだことがあるかたはもちろん、原作ゲームをまったく知らない、なんならボードゲームも遊んだことのないかたも作品の世界観に入りやすくなっているのが素敵。劇場入りしてから映像を拝見したのですが、オープニング映像も作中の風景もとても綺麗でした。映像を担当されているSPIN-OFFさんはトライディアさんの公演でもオープニング映像を作成されていて、公演のときのオペレーションもしてくださっています。映像も切り替えもくごく作品と役者に寄り添ってくださるので、毎回のことながらつい高まってしまいます( ˘ω˘ )おまけにこれまでよりも大画面なので、気合いが入るどころの騒ぎじゃない。たくさん背中を押していただいた気持ちです。

あとね!開演前に客席で流れたある映像が休憩中も変わらず流れていたので、どーにかヴァイオレットちゃんと写真を撮ろうとどたばたチャレンジしていたらね!ブースにいらっしゃった大中さんが映像を止めてくれたのも嬉しかったです!ありがとうございます!おかげでしっかり思い出写真ゲットしました!

\\ 奮闘のきろく //

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さて

いつものことながら照明を見るのが好きなもので、今回も仕込み含めてこっそり眺めておりました。すごく綺麗でビビッドで、作り上がっていくのを見ているのがとっても楽しかった!舞台面が広くて高さもある劇場だったけど、どこに立ってもしっかり照らしてくださいました。

小人たちはわりと立つ位置が固定だったので、おおよその位置に各キャラクターのイメージカラーの照明が当たるようになっていたのにも楽しい驚き…!

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私が演じたヴァイオレットちゃんはつばが広い帽子を被っていたんですが、そうなると顔に影が落ちるので少し苦戦しました。せっかく綺麗にしてくれたのに!当たらないなんて!と顔の角度を調整するなど、今まで以上に照明に当たりに行ったのは良い思い出です。本番前に実際に照明をつけて練習時間を作ってくれたざっきーさん、本当にありがとうございました!次はもっと当たりに行けるようになります。

 

例によって振り返りが長くなってしまったんですが、もう少しだけ。

脚本と演出を務めた藤丸さんの作品をはじめて観たのが座・高円寺2。それがきっかけでお芝居の面白さ楽しさを知って、演劇を見たり観たりお手伝いしたりと携わることが増えたので、今回藤丸さんの作品に役者としてここに立つということは、ある意味で節目のようなものだと思っていました。

まだまだ考えることもやるべきことも知るべきものも本当にたくさんあるけど、少なくとも今の自分のほうが好きなので、息が続く限り頑張っていきます( ˘ω˘ )

まだまだいろんな方にお力添えいただくばかりかと思いますが、これからもよろしくお願いします。

 

とてもとても長くなりましたが改めて

ご来場くださったみなさま、一緒に作品を作ったくださった技術スタッフのみなさま、当日会場でお客様をお迎えしてくれた受付スタッフのみなさま、そして応援してくださったみなさま、本当にありがとうございました!またご一緒できますように。

◎出演のおしらせ|トライディアコラボ ほんまる。第3回公演『白雪姫のアップルーレット』

こんばんはです( ¨̮  )

10月に入って急に温度が下がってくれたおかげで、最近ようやくリュックで出かけられるようになりました。暑がりなうえに代謝がめちゃくちゃに良いので、夏のうちはリュックを選ぶことができないのです。そんな少しご機嫌な今日この頃、皆様はいかがお過ごしですか。

前置きはさておきまして

11月に朗読劇に出演させていただくことになりまして、ブログでも改めてお知らせです!


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今回は同タイトルのボードゲームを原作とした公演で、ゲーム内のキャラクターたちが朗読劇にも登場します。各キャラの能力だったりさまざまなイベントが起こるカードなどなど、ゲーム内の要素も盛り込まれている作品です。

稽古の前に私も遊ばせていただいたんですが、これめちゃくちゃ面白いぞ…!考察するコツとか盤面の見方とかまだ慣れてはないけど、ボードゲーム初心者でも遊びやすくて楽しいです。5戦やって5連敗してるけど楽しいよ!!ほんとだよ!!

私は11月4日(土)の2公演のみの出演です。ご都合よろしければぜひ足をお運びください!

ほんまる。第3回公演『白雪姫のアップルーレット』

■公演日時
11月4日(土)★15:00★19:00
11月5日(日)13:00|16:30
※開場は上記開演時間の30分前、公演時間は約120分を予定しております。
※黒田七瀬出演回は★です。

■会場
座・高円寺2
〒166-0002 東京都杉並区高円寺北2-1-2

■チケット料金
S席:7000円
A席:6000円

■ご予約フォーム
https://ticket.corich.jp/apply/285149/004/

今回の公演は私にとってはひとつの節目?になりそうなのですが「なんだかいつもと違うことをしたいなあ」とふと思っちゃったので、今回私の扱いでご予約をいただいた方にはささやかながら【黒田の似顔絵入り・招待状的なイラスト】にご予約のお名前+ひとことメッセージを添えてお届けします◎

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最初はイラストのおおよそのイメージとして描いてたんだけど、分かりづらかったので文字でいろいろ書いてます。そもそもこちらはサンプルというよりも「こんな感じのイラストと文章を描くよ!」っていうイメージ的なものなので、実際にお送りするものはけっこう違います!もちろんSNSへの投稿もOKなので、感想ポスト等と一緒に使ったりしてあげてください◎

お届けするために3点お願いがあります!

  1. 10月31日までに黒田扱いの予約フォームからご予約する
  2. 予約フォームの備考欄に【ツイッターかインスタグラムのアカウント】を記入する
  3. 2で書いたSNSのアカウントにて黒田からのDMを受け取れるように設定する

上の3点について忘れずにご記入等々よろしくお願いします!心をこめて描きます( ˘ω˘ )

11月4日(土)までにはお届けできるよう、ただいま絶賛準備中です。自分以外のためにイラストや文字を描くこと自体ほぼしていないので、意外とレアかもしれない…!大切にご用意させていただきます。

 

いつものお知らせブログよりもちょっと長くなりましたが、今回は私にとってのいろんな要素が詰まった公演で、気持ち的にはひとつの節目になりそうな気がしています。このタイミングで舞台に立てることがとても嬉しいです。

楽しんでいただけるようがんばりますので、ぜひ足を運んでくださいませ。お待ちしております!

 

 

エスエスピー創立15周年記念ライブ『Star Sonic Party vol.3』宴のそのあと、のあとがたり。

エスエスピー創立15周年ライブイベント『Star Sonic Party vol.3』、アーカイブ配信含めて終了しました!ご来場・ご視聴いただきました皆様、ありがとうございました。

時間は空いちゃったけど、ようやく振り返り。

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前回のSSPライブでは朗読劇としてお届けしていた小太朗戦記は、なんと今回は寸劇!私は小太朗として、そのままハチワレルックで出演させていただきました。激アツお衣装、もといめちゃくちゃ暑い衣装でした。

実は小道具として携えていたうちわがわりと序盤のほうでしっかり折れてしまいまして、初回稽古から一緒に頑張ってきたものだったので、驚きよりも寂しさと心細さが強くて、小太郎のやんちゃさを考えるとマア彼らしいのかなと思わなくもないです。支えてくれてありがとうね。

 

そして何よりも、寸劇後にコツキミヤさんの『しあわせ』を生で聴けたことが印象的でした。作品について考えるなかでたくさんたくさん聴いていた曲。私も譲渡会で保護猫を引き取って育てたことがあって、その子には本当に本当にたくさん支えてもらいました。もう会えないその子は幸せだったのかなとずっと自問自答し続けているのもあり、猫から見た人間への思いを綴ったようなこの曲をはじめて聴いて歌詞を読み、心がじんわりと温かくなるのと同時に苦しくなったのを覚えています。

そして今回は朗読劇ではなく寸劇。声と心だけでなく身体で、動きで、私自身が小太朗としてそこに立ってお話をお届けさせていただきました。猫と人間の間柄でなくとも、どこにでもあるありふれた、でも当たり前ではない瞬間。まったくこの人たちは仕方ないなあと言いつつも笑みが溢れてしまって、そこに存在する日々がなんだかおかしくて、でも幸せで、すごく温かいのにちょっとだけ苦しくて切なくて、みんなそうだったらいいのになと考えて、サア急げ急げと日常に戻っていく。そんなことを思った直後に小太朗として舞台裏で聴くと、中野家のみんなを見ると込み上げてくるものがあります。素敵な出会いをいただきました。

(実際は暑すぎてしみじみするどころじゃなかったけど)

 

ちょっと真面目にしんみりしたので、宣伝用に描いたらくがきのお話。

寸劇でも登場するものを各々に持たせてみたんですが、気づいていただけたかしら。お気に入りなのでここにも載せてしまいます。

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背景のカラーはみんなで決めたものではなく黒田の勝手なイメージです。大人な雰囲気の明子さんとみんなの太陽のあかりちゃん、昭和レトロにお熱な純正乙女なみゆきちゃん。小太朗については私の好きな色だから赤にしてますが、エネルギッシュな子なので間違いではないかも。愛は過剰に込めたつもりです。

不安でいっぱいのなか、にこにこと迎え入れてくれた3人と私はまさに中野家と小太朗っぽいなあと思ったらもしています。こうやってみたい!あんな感じでどうかな!という提案にも一緒に考えてくれて、とても安心して身を委ねることができました。

みゆきちゃんはゼットンの背中をぐいぐい押し付けられるシーンでだんだん押し付ける力が強くなって、その表情がとても楽しそうでやんちゃな妹っぷりが出ているのがとても面白かった。今日はどんなふうに仕掛けてくるのかしらと通しや本番の前に想像する時間が好きでした。

明子さんも小太朗の扱いが雑になっていくんだけど、明子さん役の環奈さんはすごく私を可愛がってくれる(と思っている)ので、その雑さがむしろ信頼を寄せられているようにも思えて、距離が縮まったように感じられて嬉しかったです。

あかりちゃんはですね、本当にあのまま。にこにこしてくれるとこちらまでほっこりするし、たまに照れ屋な女の子の顔が見えるのが好き。これはかなこちゃんにも同じように感じる瞬間があるので、なんかね。よしよししたくなります。かなこちゃんのよいところをたくさん知れました。

最初の最初から作品を作ってきた3人の雰囲気がとにかく良いので、私も気兼ねなく甘えに行けたというか心強くて、ヨッシャぶつかってしまえ!!な気持ちで存分に頼らせてもらいました。また同じ家族として、或いは別の作品でも一緒に並べたら嬉しいです。がんばろう。

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改めまして『Star Sonic Party vol.3』ご来場・ご視聴頂きました皆様、ありがとうございました。

当日携わった事務所・ライブハウススタッフの皆様、お手伝いしてくだった事務所の皆様、ご一緒させていただいた出演者の皆様。あらゆる出会いとお力添えに支えて頂きました。また何かの形でお返しできるよう、8月も生きます。〆

2023/06/28〜7/2 -ヨドミ- 第五回公演『三日月には程遠い』について

黒田七瀬です。

6月28日〜7月2日に下落合TACCS1179にて、-ヨドミ-第五回公演『三日月には程遠い』当日運営として入らせて頂きました。ご来場頂きました皆様、まことにありがとうございました。

約1ヶ月経ってしまいましたが、改めての振り返りブログをこっそりと。


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気づけば当日運営での参加も四度目になりまして、相変わらず-ヨドミ-の劇団員の皆様と客演の皆様の魅力というか人間力というか役者力というか、に、圧倒されています。それはきっと舞台をご覧になる皆様には大いにご理解いただけるのではと思います。そうであってほしいなという願いもありつつ。

理解とは。理解することができれば争いは起こらないんだろうか。理解はできなくても理解できないことを理解して歩み寄るとか適切に距離を取るとかそういうことはできないんだろうか。

日常は小さな戦争の繰り返しで、それがしっかり表面化すると命を失うほどの大きなものになっていって、それが当たり前になっていくのかなとか思います。

以下箇条書き。

  • ハマツタカシさん演じるチノ、めちゃくちゃかっこよくないですか?役どころとしては愛国心が強い秘密警察官で、主人公のベレッタたちレジスタンスから見ると分かりやすく敵の立ち位置なわけですけど、必ずしも全てを嫌いになれるかと言うとそうではなくて。当たり前は当たり前であって、それに違和感を覚える瞬間はあったとしてもやっぱり当たり前のことであって、それを生まれ持っての感覚として育てられていて、と考えると大体みんなそうじゃない?と思わざるを得ない。正しさと正しさのぶつかり合い。正義の反対は別の正義であって、見る人が見ればチノ自身は善人でもある。実際のところどうなんでしょ。いろいろ考えてみるけど結局のところ「これがナショナリズムだ」の台詞に集約されている。大きな世界のなかのひとつの存在の、個々の持つ価値観が国に準じているかどうか。個性や意見が必要なく、民意を自分の意見と言えるのは、ある意味でとても人間らしいことなのかもしれない。
  • イチ、とても可愛い。とにかく可愛い。西出結ちゃんのお芝居って本当に唯一無二だし持っている雰囲気もまた同じくなので、いつ見てもニコニコしてしまうし、絶望してしまうし、胸が締め付けられてしまうし、いろんな感情を与えてくれるので見ていてとても楽しいです。いま私は生きてるんだなあって感じてしまいます。素敵だった。
  • 同じ1月29日生まれ、同じ鹿児島出身、の黒須みらいさん。優しいお姉さんだわとホワホワしていたのですが、作中でもお姉さん的な立ち位置。絶望した場面のお芝居が美しかった。3人のなかでミィがいちばん野心的で自分の思い描く未来に向かっているし、おそらく本人も自覚していたんじゃないかなって思うのです。意志の強さは必ずしも幸せにつながるわけではなくて、正しく運良く噛み合ったときにたどり着けるものなんだなと思いました。もしお付き合いしていなければ?違う人だったら?ベレッタの電話をうっかり聞かなければ?それを密告しなければ?いろんなところに幸せになるルートはあったけど、それはミィの幸せではなくて、だからこそあの終わり方を迎えたわけで。ちゃんと自分で選んだ結末だからこそ余計に、かなしい。可哀想ではない。
  • 冨沢さん演じるフムス、とても不愉快でとても面白かったです。ベレッタの前で「父さん」って笑顔で呼ぶの、めちゃくちゃ好きです。怜悧冷徹。たまに癇癪とか起こしてほしい願望がありまして、おそらく脳内で迅速に完結させてしまうんだろうな。すごいな。使えるものは全部使うの姿勢、あの世界で正しさを追うのであれば実はいちばん正しいのかもしれないなあ。
  • 私はパームに幸せになってほしかった たぶんそこにはベレッタもミィもいたはずなんだ ミィの幸せはふたりともいないかもしれないし、ベレッタの幸せはローズしかいなかったかもしれないけどさ、たぶんパームはそうじゃなかったと思うんだ っていう勝手な願望です
  • カカシはヒロインだよと周りの方に言われていて、その声を聞いたうえで観たゲネプロでしたが「これはとてもヒロイン」と思いました。面白いなあ。あの言い回しと雰囲気は恵太郎さんだからこそのものだと改めて。一言一句、一挙一動、その人が面白い。人。
  • ラストシーンの三日月、すごく綺麗だったなあ。ベレッタは救われたかな。救われるかなあ。夜が明ける日がきたらいいなあ。手が届くかな。手を伸ばすことをやめないでひたすら生きるってのは難しすぎるから、その先あるいは隣に一緒にいてくれる存在を大切に生きてほしい。なっちさんはやっぱりかっこよかった。
  • 最後のローズ、悪い意味で人間味があってよかった。ハンカチのシーンはウワッとしました。ほんの少しの動作で時間の流れが見えた気がして、本当にウワッとしました。当たり前が当たり前になったとき、その前の当たり前は全然違うものになるんだっていう遣る瀬なさ。
  • 壁が!ない!なくなった!おお!!!と心の中でささやかに拍手していました。面白かった。

ちょっと消化不良感はございますが今回はこのあたりで。本当にのんびり書いたので内容がフワッフワですが、こういう誰かがいつかのどこかにきっといたんだろうなと少しだけ思いを馳せつつ。本当に程遠いなあ。〆

◎出演のお知らせ|エスエスピー創立15周年記念ライブ『Star Sonic Party vol.3』

黒田七瀬です( ˘ω˘ )

所属しているエスエスピーの創立15周年記念ライブイベント『Star Sonic Party vol.3』の詳細情報公開&配信チケットが販売開始されたので、改めて出演のお知らせです!

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イベントは昼夜2回の2部構成で、私は第1部『Track』に出演します!

第1部はエスエスピーが手掛けてきた映像・音声作品を主題歌や関連する楽曲で振り返る回です。私も出演した『小太朗戦記』の主題歌などを担当しているコツキミヤさんをはじめ、様々なアーティストさんたちが出演されます。すごく楽しみです!

第2部『Ambition』はとにかくライブ!ライブ!ライブなプログラムとのこと。多田葵さんや柳麻美さんに加え、コツキさんとRitaさんも第1部に引き続き出演されます。第1部とはまた違う表情が見られるかも…と私もわくわくしています。

一緒に楽しい時間を過ごすべく、私もめいいっぱい楽しくお迎えさせていただきます。皆様のお越しをお待ちしております!

【公演日時】
7月9日(日) 第一部:15時開演|第二部:19時開演
【会場】
池袋 LiveHouse mono
【チケット】
前売:2500円+ドリンク600円
当日:3000円+ドリンク600円
配信:2000円
【イベント特設サイト】
http://ssp-create.com/ssplive/ssparty03.html

2023/4/26-30 イチゴエン 序幕御演『賭け』@中野テアトルBONBON 終演しました◎

気づいたら公演初日から約1ヶ月経ったけどやっとちゃんとブログを書くぞ

黒田七瀬です。

大変遅ればせながら 4月26日〜30日の5日間の公演『賭け』、無事に全日程が終了しました!ご来場頂きました皆様、まことにありがとうございました。なかなか気持ちがまとまりきらず、ブログを書ききるまでにひと月かかりました(´・ω・`)


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さて

これは永遠に言おうと思うんですけど、「朗読劇ですよ〜」とお話を聞いたはずが稽古を進めていくうちに台本を外してお芝居するシーンが増えたり、殺陣やアクションが入ったりと、「はぇ?!」とビビりまくっていた約3週間。

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こんな感じで舞台上に台本を落として、以降そのキャラクターは台本を持たずにお芝居をしますよ!という、今まで経験したことのない演出の作品。台本を持たないお芝居はたぶん4年ぶりくらい。人生で2度目まして。手探りしながらの稽古期間だったのですが、とても楽しかったです。

 

今回は私の個人的なお話ばかりなので、お礼の言葉だけでお腹いっぱいよ〜な方はそっ閉じしていただければと思います( ˘ω˘ )

 

私はダブルキャストとして、ゆっけちゃんこと榮野川優姫ちゃんとともに次女・マーサを演じさせていただきました!

ゆっけちゃんは今回が初めての朗読劇・初めての舞台公演だったらしいです。らしい、というのは「いや絶対嘘じゃん〜」っていうくらい気配り上手でムードメーカーで堂々としていたからっていうのが理由です。いや絶対嘘じゃん。初めてであんなに声出ないよ。すげーかっこよかった。

そんなふうに憧れつつ悩みつつな私にも寄り添ってくれたのが、他でもないゆっけちゃん。本当にずっと一緒にいてくれたし、あれやこれやお話を聞いてくれてたくさん救われました。ありがてえことだよ本当に。ありがたいことです。

 

…なんかゆっけちゃん観察日記みたいになりかけてるので、衣装のお話をさせて!!

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(作中でこんなふうに可愛い子ぶってるシーンはひとつもない)

ちなみに衣装はゆっけちゃんと私とで同じものを着ていまして、中身はこんな感じ。

ワンピース:黒田私物
シャツ:長女役・杉田のぞみさん私物
ベルト:杉田のぞみさん私物
赤黒タイツ:27日/杉田さん私物
紫タイツ:29.30日/黒田私物

※靴はサイズが別だったので各々でショートブーツを履いてた

かつての私が好奇心で購入した若気の至りワンピースが、まさかこんなかたちで大衆の面前にお目にかかることになるとは。お引越しのときにも捨てないままで持っていてよかったです。そして全面的にご協力くださった杉田さんのおかげで、主宰の鳩岡ぽっぽさんのオーダー通り?のアイドルになれない系クソダサ女子にできたのではないかなと。楽しかった。

総括すると今回の衣装は、私と杉田さんの若気の至りでできていたのです。普通に楽しかったです。きっとマーサが思うアイドルにはなれないだろうけど、偶像崇拝的な意味でのアイドルにはなれるんじゃないかと思います。意志は強い子だと思うので。

ちなみにこのとき杉田さんにお借りしたシャツ、とても気に入ってしまったので終演後にお買い取りさせていただきました。ジャンジャカ着倒しています。俺の若気の至りは終わらないぜ。

劇中で着ていた制服はゆっけちゃんの私物。

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これです!

 

先ほど書いたのですが、今回の私に対するキャラクター的な演出はメンヘラ次女だったので、なんとな〜く久しぶりにカラコンをしてみました。3年前くらいにカラコンからクリアレンズに戻しちゃったので、最初のうちは自分の顔に全く慣れなくて( ‘ᾥ’ )おまけにかなりのドライアイなので、終演後は目が渇きすぎてパッサパサで!目が開かない!ってなってしまったので、またしばらくカラコンは封印です。非日常感があって楽しかったです。

 

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さて

私はやっぱり自分の気持ちを言葉として音にするのがすさまじく苦手で、それでもお伝えしたいからとツイッターで自分なりにキャストの皆様についてつぶやいていたんですが、本当にねえ 優しい人や魅力的な人しかいなかったんだよ。これは伝えなきゃ損だし私の得意なところはそこしかない!と思って、自分なりに日々ぽちぽちとツイートしておりました。

お芝居もそう、人間性も個性も愛情も愛嬌も全部そう。キャラクターが個性的なのはそりゃそうなんだけど、役者さんそれぞれがしっかり色を持っていたからこそ、あんなに名残惜しい作品に仕上がったのだと思います。

私はひと足早く千穐楽を迎えまして、セリフのある最後のシーンで出る前に「これで私のセリフは終わるんだなあ、ちょっとそれはやだなあ」となんとなくしみじみと寂しくなってしまいました。全然上手く言えないんですけど、他の方の熱や思いにようやく混ざれたような気がして、でも終わってしまうわけで、とは言えマーサの人生はこれからも続いていくわけで、これはなんという思いだ?というよくわからない気持ちになりました。出てしまえばそのゴチャゴチャも全部ふっ飛ぶのでまあいっか!な話かもしれないんですが、あまりない経験だったので大切にとっておこうと思います。

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まとめとなりますが!

ご来場頂きました皆様

作品作りにご尽力くださったスタッフの皆様

お客様を迎えてくださった制作スタッフの皆様

そしてご一緒させていただいた役者の皆様

この稽古期間と公演期間が充実したものとして終えられたのは、あらゆる全ての皆様のおかげです。本当にありがとうございました。これからもなにとぞよろしくお願いいたします!〆