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観劇日記と役者ごと・お手伝いごとまとめ

2021/3/25〜28 Fujimaru Presents「金の価値」@西荻窪がざびぃ

黒田七瀬です。
気付けばもう4月!早い!今年度もどうぞよろしくお願い申し上げます。

 

さて

3/25〜28の4日間に渡って行われた舞台「金の価値」にて、25〜27の3日間のみ当日制作のお手伝いをさせていただきました。

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ご来場いただきました皆様、誠にありがとうございました。また、検温や消毒などご協力いただいた点についても、ありがとうございました。

役者の皆さんははじめてお会いする方ばかりだったのですが、どなたもパワフルで元気で、待機時間含めて明るい雰囲気の座組だなあと感じでおりました。あと純粋に若い。キラキラしてた。見てるだけでほくほくします。若さは素敵。可愛い。美しいし儚いけど強い。私もお姉さんになったのね…と時の流れの残酷さを噛み締めております。もう春ですね。

 

3/26(金)は観劇もさせていただきました。想像に違わずパワフル!最初から最後まで「やってやる!!」っていう気概に溢れていて、楽しく観させて頂きました。いつもながらの個人的な感想の箇条書き(というか殴り書き)です。

  • 高橋さん、すごく必死でまっすぐで、上野のために!っていう善意で行動しているのがかえって残酷で好きです。そもそも上野さん、生きるのが辛くなったから自殺を選んだわけですが、高橋さんはそれを知りつつも「あなたは死んじゃいけない!もう一度人生をやり直して!」って言ってるんだもん。当事者だったら普通にウザいしなんなら怖い、結局高橋って「自分がしたいからそうしたい」ってだけなんですよね、もとを辿れば。自分が救われたから今度はあなたを救いたい!って言いながらも、序盤は上野さんの希望ガン無視してるんだもん。その愚直さと傲慢さ、無自覚な残酷さが好き。誰かのためにしたつもりが、むしろその優しさが誰かを傷つけるなんてザラにあるわけで。果たして高橋の優しさは本当に上野さんのためになったと言えるのかなあ。何回繰り返すんだろうなあ、高橋はずっと手伝ってくれそう。もしかしていちばん頭がアレなのって高橋だったりするんだろうか。私は村上さんが演じる回しか見られなかったのだけど、岡さん(岡本大樹さん)の高橋も気になります。だってお二方とも優しそうな方だからさあ…
  • 児玉さんのストレートのお芝居を見たのは初めてだったのですが、部長さんの挙動にはたくさん笑いました。なんなんでしょう、あのなんとも言えないシュールさ。部長と神様は舞台に出てくるだけで面白い。なんでだろう…存在感…?純粋に好みもあるだろうけど。3年前に「幸せの刻」を見たときと同じ感覚を覚えて、嗚呼…と思ってしまったり。うん。面白かったです。はじめのほうの高橋と井上とのやりとり、好きです。あと猫の喧嘩のやつも、好きです。ひとまずお大事にしていただきたく。
  • ところでこれ何周目なんだろう…何周目…?高橋と上野だけが覚えてて他の人は忘れてる、なんてご都合主義なことは起こらないとは思うんだけど、何せ全知全能な神様が関与しているなら、何度か繰り返してる可能性もあるのかしら。だって神様でしょう、上野さんがまた時間を遡ってやり直したとして、その先どうなるかって分かってたんじゃないの?って勘繰ってみたり。私なら大事なものを勝手に持ち出されたら怒るし腹立たしいし、罰を受けろって思っちゃう。って考えはじめると、結局のところあの無限の時間に上野さんは縛られてしまうことになるわけで、あれ…下手したら地獄よりもしんどくないです…??何回繰り返したところでその先には生まれ変わりとか救済とか許しはないし、繰り返せば繰り返すほど苦しくなりそうっていう…最期を迎えたときの地獄での刑期、えぐいことになりませんでしょうか。彼女は幸せになれるのだろうか。その先に進める日は来るのだろうか。自殺以外の結末を見つけられるのかな?
  • 井上と荒川のさあ…どうして死を選んだのかっていう話をさあ…もっとして欲しかったよ…。常識的なキャラクターかと思ったら想像よりも闇深そう感ダダ漏れだし、はたまためっちゃ明るいムードメーカー(演じてる中村さん自身も鬼明るくて正直びびった)かと思ったら6歳で死んだだと…?なんで井上さんは心中って言葉を使ったのってって考え始めたらなんかいろいろおわぁ…ってなるし、言語化ができない。今回の話の中では高橋と上野さんのことが多く取り上げられているけど、このお二人のことも気になっている。おわぁ。だって井上の目が怖ぇんだもんよ……。
  • 頑張ってるお前が好きだったんだ!どうしてそうなるんだよ!って言葉が辛い。どっちも悪くない、でもどっちも悪い気がするけど悪くはないっていう、すごくモシャモシャしてしまう関係性。お互いがお互いに相手に寄りかかってるのにそういうわけでもない、きちんと向き合っていたのかなって思いました。ねえ本当に彼氏さんは上野さんが好きだったの……ただキラキラに焦がれただけなんじゃないの……?「もしかして:子供 光るおもちゃ 好き」みたいな、そういう感情じゃないんですか……?(3点リーダーに思いを込めて)
  • 照明の色使いや音の美しさが浮世離れしているように綺麗だったのが印象的でした。そもそも物語の主軸が死後の国であって、あるかどうかもわからない場所なので、そういう感覚になったのかもしれないけど。浮遊感にも似た変な感覚を孕んでいて、とっても綺麗でした。ああ舞台だお芝居だ、って五感全部で感じられて、全部の神経がビリビリしてるような…うまく言えません。作品、音、色、光、言葉、呼吸、熱。構成するものひとつひとつに愛を感じました。当たり前と言えば当たり前かもしれない、でも当たり前じゃないんだって思うし、当たり前を当たり前にやり続けるってマジで簡単じゃない。だから当たり前の言葉は名言になるし誰かを救うしそこに在り続けられるんだ、などと考えていました。上手く言えないの歯痒い。だけど結局そこに戻ってしまいます。ぐぬぬ
  • 上野さんへ:今どこにいますか 幸せですか 今度こそ自分幸せを選び取れましたか (幸せってなんだろうね)

以上です。

多分増えない…はず…なんだかんだ過去の投稿もたまーに増えてたりするのでわからないけど。愛はあります故。文字量多くて箇条書きの良さを活かせたいないけど、スタンスは変えない!(  `・ω・´  )

 

そんな感じで。

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お手伝いするときにはなんだかんだ絶対に撮っている、無人の舞台面。また目にすることができて本当によかったです。なんだか抜け殻みたいだなっていつも思っています。良い作品の熱を感じてしまうと、尚更。

 

改めまして、ご来場頂きました皆様、本当にありがとうございました!ご一緒させていただいた役者・スタッフの皆様もお世話になりました。季節はすでに春。またお会いできますように!!

 

 

(おまけ)今回はデジタルのフライヤーのみで、だけど外に出すものがないのも寂しいな…と思ったので、急遽(勝手に)作らせていただきました。作り始めた段階では、過去公演含め作品を観ていなかったのですが、観劇後は作品の色というか、自分の感じた気持ちも少しずーつ加えてました。ので、公演日ごとに若干デザインが違います。

公演2日目。まだ綺麗だった頃の看板。

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公演3日目。紐が増えて少し滲んだ感じに。かわいい。

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公演4日目。さらに紐が増えて滲ませまくった。

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いやー楽しかった!

自分なりにいくつか意味を込めて、こそこそせっせと作成したのですが、良い感じに味が出せたと思います。写真に収めてくださった方もいて、すごくうれしかったです!結果的に自分が咀嚼して感じたことが望んだ形になったので色々とラッキーでした。

最終日は雨が降ってたので湿気が高くて、自分で仕上げたものに想定外のニュアンスが加わっていたのは嬉しい誤算。外に出していただけたのもありがたかったです。おかげさまで達成感バリバリでございます。

あとどうせなら同じ場所で、同じ輪郭で撮ればよかったな〜とブログ書きながら思いました。ひと匙でも伝わってくれたら、あわよくば同じことを思った方がひとりでもいたらいいなー。(おまけおわり)