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観劇日記と役者ごと・お手伝いごとまとめ

2019/10/10 -ヨドミ-「踏切のサーカス」がトンデモ面白くて美しかった

お世話になっております、黒田七瀬です。

だいぶ時間は経ってしまいましたが、-ヨドミ-さんの旗揚げ公演「踏切のサーカス」を観劇してまいりました。

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観劇したときはだいたいアホみたいに長いブログを書いてしまうのですが、今回は言葉が全然出てきてくれない。人間の汚くて醜いところもたくさんあったはずなのに、どうしてこんなに綺麗なんだろうなあ、と。「とても頼りないハッピーエンド」って言葉が自分の中ではしっくり来てます。すぐに壊れてしまいそうな、ささやかな終わり。ツイッターに呟いた「お芝居は狂気だ、でもこんなに美しい」と感じたのは、この作品に出会えたからこそだと思います。

どういうわけか、最後の「踏切のサーカス」というセリフを聞いて暗転した瞬間、涙が止まらなくなりました。理由は分からないけど、突然に思いが溢れてしまったというか。いろんなことを思ってしまって、結果そのあとはずっと泣いてました。最近涙脆くなったなあと改めて実感。

今年の冬の「エスイズ」ではじめてお見かけした大中小さんが演じていた弟さんが好きです。戦地に赴いて帰ってきてからの変わりように、人間の脆さを見ました。とても笑顔が素敵な方だからこそ、より影が引き立つなと。目の前で次々に人が死んでいって、仲間を殺されて相手を殺して虐殺だなんだと騒ぐのに、その実自分たちも同じことをしているのに英雄だなんだと言われると想像すると…そのギャップに心が持って行かれないわけがないよなあ。それだけに死際が余計にかなしくて、思い出すと胃が痛いです。

藤丸さんの作品は、役者が、脚本が、照明が、音楽が、舞台が、あの場にあった全部が作品を作り上げていて支えている、というのを肌で感じられるから好きです。その情報量をなかなか処理できなくてすごく死にたくなりますが、観た後に「生きたい」と思ったのは今回がはじめてでした。たった2文字の違いだけど自分の中では全然違って、世界がひっくり返ったような気持ちです。マジでとんでもないな…。天才って言葉は好きじゃないけど、こういう人のことを言うんだろうなと反射的に思いました。

どんなふうに世界が見えているんだろう、どんなふうに物事を捉えているんだろうと思いを馳せてみても、やっぱりなにも分からなかった。でも考えてみることが大切なんだと思いたい…。もっとたくさん勉強しなくちゃなあ。。

そんな感じです。

では、また。