わざわざ文章を長ったらしく書いてしまう癖があります。それは作品にも表れていて、私が書く作品の登場人物はめっっっちゃ面倒臭い話し方をします。長々と話します。ごめんなさい、そういう文章が好きなんです。ぐぬぅ。文字に頼ってしまうんでしょうね。改善していかなきゃと思いつつ、いつかこれが味になったらいいなあと思っていたりもします。道は長い。
さて
今日は頭上注意さんの第0回公演「匣の中」を観劇してまいりました。
まさかひと月に2回も藤丸さんの作品を観られるなんて!しかも今度は舞台!
数年前に上演された朗読劇版は観劇できていなかったものの、話題として耳にすることはよくあったので、いつか観られたらいいなあと思っていた作品のひとつです。
セットはこんな感じ。
会場の形が面白くて、このセットをぐるりとコの字に囲っていたんですよ。私は入り口側に座っていまして、座る場所によって絶妙に見え方が違うタイプの客席(その重要性をラストシーンで思い知ることになる)。
以下箇条書き
- こんなに役者さんが飛び跳ねまわる舞台を見たのははじめてでした!とくにツァールことハマツさん、アクロバティックにも程がある・・・!だから最初のほうはとにかく「すごーい!めっちゃ動く!すごーい!!」。本当にね、めっちゃ動くんだよ!すごいの!躍動感をもってめちゃくちゃに楽しさが伝わってきました。でも私知ってる・・・藤丸さんの作品って最初はこんな感じだけど、あとからドンガラガッシャーンされるって知ってる・・・!と震えていたのはここだけの話。
- ハマツさんはこれまでも何度か舞台上で拝見していたのですが、わりとバラエティに特化した方っていう印象があったの。でもツァールは始終みんなのお兄さんで、誰よりも家族を大切に思っていて、そういった描写がほぼなかったのがとても新鮮でした。とてつもなくかっこよかった。
- 私も冷蔵庫入りたい
- テナ扮する高木裕平さん。朗読ではなく舞台で拝見するのははじめてでしたが、こんなにも印象が変わるなんて!自分の感情を自覚してからの感情の揺れを見るたびに息苦しくなりました。10回ゲームのくだりが狂おしく好きです。
- 衣装がめっっっっちゃ素敵!!!舞台と衣装とがセットになったときは「あー!」と声を上げそうになりました。あんな使い方があるなんて!ちなみにいちばんツボだったのはテナさん。みなさん魅力的だったんですけど、ゴーグル大好き人間としてはテナさんのお衣装に惚れました。
- 後半のシーンの「生きたい」「死にたい」の対比が気持ち悪くてえげつない。生きることは希望にもなるし絶望にもなる、ありふれた感想だけど本当にそう思う。どちらも正しくて間違いなんてない、分かってるはずなのにね。そんなわけで切実にアインを殺してあげたい。生きてるけど死んでるって地獄でしかないよ。しんどい。感情移入したら私の繊細なメンタルはいとも容易く砕けると思うので途中で一歩引きました。
- 誰のことも信じられなくなりそうだけど、誰かのことを信じてみたくなるっていう二律背反
- よね子さんマジよね子
- 私も冷蔵庫入りたい
- 中山ヤスカさんの当日パンフレットの挨拶コメントがとても印象的でした。文字を読み進めているたびに「素敵だなあ」という気持ちが募って、何回か同じ文章を読んでしまいました。3回目も4回目も、やるのであれば0回公演っていう言葉が好きです。ファムが持つ子供特有の純粋さがすごく胸糞悪かったなあ・・・短絡さやまっすぐさ、自分勝手さに振り回されているのが同じ子供で、自分との身分の差を無自覚に自覚してるのがただただ気持ち悪かった。どこまでも純粋で残酷っていう子供のこわい部分がすべて詰まったキャラクターだと思いました。いちばん友達がなんなのかを理解してなかったのはこの子だよね。本当に友達がいたことなかったんだろうなあ。
- 最後のシーン、席の都合でツァールのお姿が見られなかったのめっちゃ残念・・・冷蔵庫お前・・・!!!!
- それでも私は冷蔵庫に入りたい
はいっ。
そして、ツイッターでもぽつりとつぶやいたのですが
#匣の中 観劇してきました〜
— 黒田七瀬 (@____nnskrd) 2019年7月20日
ああいう終わり方や展開は大好きだし面白かったんですけど、なんでしょうね。虚しさとか遣る瀬無さとかそういうのじゃなくて、なにもないの。空っぽなの。後味が悪いどころか完全に無味。はじめての気持ち。楽しいの先を見た気がします。あと私も冷蔵庫に入りたかった…! pic.twitter.com/C7RF2ZIyD0
今回の最終的な感想はこれ。
藤丸さんの作品を観た回数はまだ両手で足りる程度なんですが、そのなかではじめて「なにもない」という気持ちを味わいました。いつもなら死にたくて死にたくてたまらない気持ちで満たされるはずなんですけど、今回はなんにもなかったんですよ。誰も救われない終わり方をしたときって絶望とか、遣る瀬無さとか虚しさを味わうはずなんだけど、マジでそういうのがなんにもなかった。でもそれは面白くなかったとか嫌いとかそういうわけじゃなくて、そういう感情がすべてなんだろうなと。
全員が出てきて、カーテンコールをして、客席に照明が灯るまでのほんの数秒間は頭の中が空っぽになっていて、目に入るものすべてがスローモーションに見えました。あれなんなんだろうなー、ってずっと考えてたらいつのまにか酸欠になってて、以降ずっと頭がいたくなりました。帰宅してこれを書いているまでの間も頭を整理していたけれど、まだ答えは出せてないです。もしかするとそれ自体が答えなんだろうけど。。
今回は自分の中での整理がつく前にさっさと書いてしまいたかったので、珍しく早々に書ききってみました。そんなに長くならないんじゃないかなーと軽く構えてたけど、結局いつもどおりになってしまった(´・ω・`)ぐぬ
たぶんまだしばらくは変わらないと思うです。
では、また。
〆